しいたけ基礎知識
〜しいたけと健康について〜
免疫力を活性化!
体の抵抗力を高めるきのこ類●インターフェロン産生を促進
椎茸の持つ薬効の大きなものに “免疫力を高める” というものがあります。
人間の体は、外から体内に入ってくるウィルスなどの外敵を、白血球やリンパ球、インターフェロンなどが攻撃して体を守ります。椎茸をはじめとするきのこ類は、これらの細胞の働きを高めます。つまり、免疫力(抵抗力)を高めることにより、総合的に病気に罹りにくい体になるのです。
その結果、ガンに対する抵抗力・予防力、インフルエンザ、エイズなどのウイルスに対する抵抗力、そのほかいろいろな外敵に対する体の防衛力を上げることができるのです。
■インフルエンザと椎茸
椎茸のRNAや多糖体レンチナンが、体内で外敵と戦ってくれるインターフェロン産生を促し、免疫力を高めます。
ある大学で行われた実験を紹介します。
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ウイルス接種前に抗ウイルスを投与したマウスでも、10匹中1匹くらいしか助からないという強力なインフルエンザウイルスをマウスに感染させます。
椎茸から抽出したRNAを、ウイルス接種1時間前と1時間後に注射したグループで比較してみると、1時間前に投与したグループは11匹中6匹が、1時間後に投与したグループは11匹中4匹が生き残りました。
椎茸から抽出したRNAを投与すると、これだけの効果があります。
また、必ずしもRNAでなくても、例えば椎茸なら多糖体レンチナンなどもインターフェロン産生を誘導できますし、椎茸に限らずきのこ類はイノシンやシトシンなど、核酸の基になるものがたくさん含まれています。そういうものがインターフェロン産生を促すことが知られています。
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インフルエンザに罹ったからといって椎茸を急に食べ始めても、薬ではないので当然即効性はありません(でも食べないよりはマシ)。普段から椎茸(きのこ類)を恒常的に食べていることで、自然と体の免疫力を高めることができます。その積み重ねが、いざという時に効果を発揮するのです。
肝障害を抑制
●肝臓障害に対しても効果をみせる椎茸
静岡大学農学部応用生物化学科の杉山公男、河岸洋和の両教授の研究で、椎茸には肝障害を阻止する効果が強いことが判明しました。 実験は、数種類のきのこを餌に混ぜ、実験用ラットに食べさせた後に人工的に肝障害を起こすというもの。 肝障害が起きたかどうかは、血清中のALT(GOTの別称)とAST(GPTの別称)の量を測定します。この値が大きいと肝臓に障害があるというもの。人間の肝障害検査にも使用されています。 椎茸、ヒラタケ、ブナシメジ、エノキタケ、マッシュルーム、マイタケ、キクラゲの7種類のきのこで実験した結果、きのこ入りの餌を食べずに肝障害を起こしたラットと比較すると、キクラゲを除いてそれぞれ障害抑制の効果がみられましたが、中でもマイタケ、エノキタケ、椎茸に肝障害抑制の効果が顕著にみられました。
■椎茸の薬効に新たな一面
椎茸の薬効はたくさんありますが、肝障害抑制に効果があるということが分かったのはこれが初めて。 実験に使われた椎茸は生シイタケでしたが、河岸教授によると一度乾燥させたものでも効果に影響はないのでは−とのこと。
コレステロール低下作用●悪玉コレステロールを減少させる
コレステロールには2種類のものがあることはよく知られています。 善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール」と、悪玉コレステロールと呼ばれる「LDLコレステロール」です。動脈硬化などの原因は、LDLコレステロールにあるといわれています。逆に、HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐ働きを持っていると考えられています。きのこがコレステロールを低下させるというのは、この悪玉のLDLコレステロールを低下させるという意味です。 椎茸に含まれるエリタデニンという物質が、悪玉コレステロールを下げる働きを持っているのです。 コレステロールが溜まりやすい肉料理などと同時に椎茸を食べれば、コレステロールが蓄積するのを防いでくれることでしょう。
■コレステロールと椎茸
ある大学で学生にボランティアを募り、10人の学生に毎日椎茸を何枚か食べてもらってコレステロールを測定した実験を行いました。その結果、総コレステロール値は少しずつ下がっていきました。さらにコレステロール中の「HDLコレステロール」を測定したところ、2週間目までは目立った変化はないものの、3週間目からは明かにHDLコレステロール値が増加しました。総コレステロール値は下がりながらHDLコレステロール値が増加しているということは、相対的にみてLDLコレステロール値が下がっていると言えます。
血圧降下作用
●血圧を下げるには戻し汁が特にいいみたい
血圧低下作用があることも有名です。 特に、乾しいたけの戻し汁を毎日飲んで血圧が下がったという話はよく聞きます。 これは、コレステロール低下作用と同じように、椎茸に含まれるエリタデニンという成分の働きです。また、エリタデニンは水に溶けやすいため、戻し汁に多く含まれます。 血圧が高めで悩んでいる人は、乾しいたけの戻し汁を毎日飲んでみることを試してみるのも良いと思います。 戻し汁をダシにつかうという人も多いでしょう。しかし、そのまま飲めば“薬”にもなります。いいダシにもなるし薬にもなる。「戻し汁を捨てる」なんていうのは、非常にもったいない話です。
■お湯の方がたくさん溶け出すんだけれど・・・
エリタデニンは、水よりもお湯の方が多く溶け出すんだそうです。しかし、椎茸の旨味は水戻しの方がよく出ることや、戻し汁には酵素など熱で壊れる成分も含まれているので、水で戻す方が良いと考えられます。
ビタミンDが豊富な乾しいたけ
●乾しいたけはビタミンDが特に多いのです
いろいろな食品がある中、乾しいたけにはビタミンDが特に多く含まれています。乾しいたけでは100g中に840IU(IU「アイ・ユー」はビタミンDの国際単位)となっています。日本人の一日のビタミンD所要量は、5歳以下で400IU、6歳以上は100IUなので、乾しいたけを食べることで必要量が賄えます。ビタミンDは、不足しがちなカルシウムの吸収を良くする働きがあります。カルシウム不足だからといってカルシウムの多い食品ばかりを摂っているよりも、同時にビタミンDを摂ればその吸収率は高まります。「骨粗しょう症」などが増加している現在、カルシウムとセットでビタミンDを摂りましょう。
■ビタミンD増加大作戦
ただでさえ乾しいたけはビタミンDが多いのですが、それをさらに増やすことができます。現在の乾しいたけのほとんどは、天日乾燥ではなく乾燥機による機械乾燥です。ところが、椎茸の中にはエリゴステロールというビタミンD前駆物質があり、これは紫外線を当てるとビタミンDに変化します。つまり、買ってきた乾しいたけを日光(紫外線)に当てれば内部のエリゴステロールがビタミンDに変化するのです。ある情報テレビ番組では、日光に30〜1時間当てることで当てる前の10倍のビタミンD量になると紹介されていました。また、日光に当てる場合は、ヒダの方を上に向けるのがポイントです。
ダイオキシン分解
●きのこがダイオキシン分解
平成11年3月31日付の「農業新聞」が、大阪薬科大が「マイタケとエノキタケ、椎茸がダイオキシンを分解すると発表した」という記事を掲載。これより先に、愛媛大学農学部の研究グループや北九州大学でも同じような研究結果を発表しています。現在はまだ実験段階であり、きのこがダイオキシンを分解する力があることは証明されてはいるものの、それが実用化されるようになるには少し時間がかかりそうです。しかし、特に注目されている環境ホルモン対策において、きのこ類への期待は高まっています。
■身近なきのこに期待がかかる
現状で、木材腐朽菌の一種がダイオキシンを分解することは分かっているのですが、その菌は輸入有害菌に指定されているため国内の使用には難点があるようです。しかし、これら大学の研究結果などから身近なきのこでも同じくらいの分解能力のあることが分かり、きのこを使った汚染土壌浄化プラントの実現に関係者は期待を寄せています。
まとめ●中国では“不老長寿”の薬
▼免疫力を活性化させて、ガンに対する抵抗力や予防力、エイズやインフルエンザなどのウイルスに対する抵抗力を高めるなど体の免疫力を向上させる
▼悪玉コレステロールを減少させる(動脈硬化予防など)
▼血圧降下作用
▼ビタミンDが豊富でカルシウム吸収を高める
▼食物繊維が豊富
などなど。
数ある食品の中でも、これだけの薬効を合わせ持ったものはそうありません。中国では、ブクリョウやマンネンタケなどと同様に、椎茸は医薬品として用いられてきたほどです。 また、椎茸に限らずマイタケやエノキタケなども同様に薬効があり、最近では痴呆症に対してヤマブシタケというきのこが効果があると注目されるなど、きのこ類(菌類)には素晴らしい薬効があります。 さらに、椎茸を生産する際には農薬を使っていないことを考えても、素晴らしい機能性食品であるといえます。 なかなか料理の主役にはなれませんが、脇役としてでも毎日椎茸をはじめとするきのこ類を食べることは、体質改善や健康維持にとっては非常に効果的です。
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